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ラスマン ウェイン

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事業推進担当者

双曲空間内の離散的な平坦曲面

ラスマン ウェイン(神戸大学理学部数学教室)
学位:Ph.D.(Univ. Massachusetts -- Amherst)
専門分野:微分幾何学
ユニット:形と流れ

活動報告書

神戸大学が連携機関として協力している九州大学のグローバルCOE「マス・フォア・インダストリ」の事業推進担当者として、離散的な曲面の微分幾何学的な性質について研究する予定である。この研究は産業に関わる数学、とくにコンピューターグラフィックスの可視化やデザインなどと関係がある。そのため、離散的な曲面についての専門家 T. ホフマン氏(九州大学教授、事業推進担当者)と共同研究をする予定である。

考える離散的な曲面は、辺を張り合わせた平面四辺形で構成されたものである。とくに研究対象を、一般の離散的な曲面ではなく、滑らかな曲面における「isothermic」という条件と同じような条件を持つものに限ることにする。この制限の利点は可積分系の立場がとれるということ、幾何学的な性質を反映させるパラメータ表示を与えることができるということである。このことによって、得られた離散化は最もきれいなものになるといえ,可視化やデザインの専門家にとっても興味深いものになるだろう。コンピュータで扱えるデータは有限であるので、全ての曲面のコンピュータ・グラフィックスは何らかのレベルで必ず離散的になる。離散的な「isothermic」な座標を選ぶことが、そのデータの賢い選び方の一つである。また、離散的な曲面を使って、ビルや橋などをデザインする場合、曲面ができるだけきれいになる方法を望ましいと思うだろう。この場合に「isothermic」な離散的な曲面は一つの理想的な方法である。

最近、Hertrich-Jeromin氏との3次元空間型(ユークリッド空間、3次元球面、双曲空間)内の離散的な平均曲率一定曲面に関する研究が完成した。その研究において「離散的なisothermic」という概念について理解することになった。特に、四辺形の頂点が同一円周上になければならない理由、及びその頂点の非調和比のある特別な性質が必要である理由がわかってきた。

さらに、ホフマン氏との最近の議論で、「isothermicity」という概念の様々な一般化が見つかりつつあり、それぞれについて技術的応用が期待される。そこで、Hertrich-Jeromin氏との研究を深化させるため、ホフマン氏と共同研究を行う予定である。

具体的には、ホフマン氏の協力を得て、さらに九州大学教授の吉田正章氏、福井工業大学教授の佐々木武氏の協力も得て、3次元の双曲空間内の離散的な平坦曲面を調べ、以下の課題について共著論文を書く予定である:
1)離散的な平坦曲面を定義し、それぞれの四辺形の頂点が同一円周上にある、という自然な性質があることを証明する;
2)離散的なlinear Weingarten曲面も定義できることを示し、その曲面を利用して、同様に離散的な平坦曲面から平均曲率が一定曲面(H=1)まで(双曲空間の中で)変形できることを説明する;
3)その離散的な平坦曲面がそれ自身「isothermic」にならなくとも、上の変形により対応している離散的な平均曲率が一定曲面(H=1)は「isothermic」になることを説明する;
4)双曲空間内の平坦曲面(連続的なケース)の場合には、特異点(例えば、cuspidal edgeやswallowtailなど)が自然に現れるが、離散的な場合にどのように特異点が現れるかを調べて、離散的なcuspidal edgeやswallowtailやその他の特異点を定義する。

離散的な曲面においては臍点より複雑な特異点が全く知られていないので、四番目の課題がおそらく一番面白いであろう。この研究をさらに進めて、可視化やデザインなど産業への応用のために、離散的な曲面とその変形のコンピューター・グラフィックスのアニメーションを作成する予定である。

A discrete helicoid

A swallowtail singularity

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